第29章 若社長、やはりお父さんに会議へ来てもらいましょう

中尾美希との一件は、長谷川栞の胸に引っかかりもしなかった。

カウントダウン――5日目。

長谷川栞は正式に長谷川グループへ入社した。

長谷川圭史は彼女を連れて社内をひと通り案内し、役員を集めて簡単な顔合わせの場を設ける。

本音を言えば、栞を自分のそばに置いて仕事を覚えさせ、そのまま引き継ぎまでスムーズに運びたかったのだろう。

だが、栞はそれを断った。

「役員連中はな、そう甘くない。足を引っ張られないだけでも、まだましなほうだ」

圭史は娘が擦り減らされるのが惜しい。自分の会社で、自分の娘がいじめられるなど許せるはずがない。

「俺の案としては、毎年きっちり利益が出てる案件をいくつか...

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